2016/02/23

情報開示項目30項目にきちんと答えられるかどうかが「良い企業」の証の一つ

 今日の日本経済新聞の記事によれば、勤続年数や給与、諸手当など30項目の開示状況を調べたところ、新入社員の定着状況、月平均残業時間、有休取得率を公開する企業はほとんどなかったとのことです。これらの情報は、企業への応募者にとっては非常に有用な情報といえます。したがって、採用担当者としては、この項目にどのように答えられるか、ということも念頭に置き、例え現段階で対策が不十分だとしても、ある程度のレベルで答えられ、できれば開示ができるようにしておくと役に立つでしょう。

 30の項目は、以下のページで参照することができます。
 公開ディスカッション(テーマ:多様な働き方を実現する規制改革 就職、転職前の情報は十分か ~良い職場選びのために~) 2016年2月22日実施


<例えば…>
【情報開示30の項目の対応状況(例)】
・女性従業員数(比率) 全体の40%程度
・女性管理職数(比率) 1名(全体で20名)
・女性役員数(比率) 0名
・平均勤続年数 14年
・新入社員定着状況 ここ5年で40名採用。3年以内で辞めた社員は1名
・産休取得者数 10名
・育休取得者数 10名
・育休復職率 10名(出産・育児による退職者はなし)
・子の看護休業取得者数(男性) 1名
・短時間勤務制度利用者数(男性) 0名
・平均年間給与 約600万円(平均年齢43.2歳)
・月平均残業時間 約10時間
・有休取得率 50%(全国平均をやや上回る)
・採用人数(男女別) 2016年度は 男子5名、女子2名
・選考プロセス 1次選考(書類、SPI)、2次選考(面接(3回程度))、最終選考(役員面接)
・キャリアイメージ(社員紹介)
 1~5年目程度は担当(先輩社員あり)、5~10年程度は主任、10年後は管理職(場合によっては専門職)
・人材育成方針・教育研修制度
 規定・制度あり(階層別、職種別に個々の段階に合った研修を実施)
・中途採用ページ
 右記ページ:
・中途採用実績
 毎年2名程度採用
・高齢者再雇用数(比率)
 希望者は全員65歳まで再雇用
・初任給
 院卒)月給230,000円 学卒)月給210,000円 専門卒)月給190,000万円
・昇給制度・評価制度
 毎年1回昇給(成果給)
・賞与制度
 2回(7月、12月)
・諸手当(通勤費用等)
 通勤手当(全額)、扶養手当、専門資格手当 他
・勤務時間制度
 通常は、9:00~17:00勤務
 フレックスタイム制によりワークライフバランスに則った勤務が可能
・休日・休暇制度
 土日祝日、年末年始他、年間休日数125日
・勤務地
 東京
・寮・社宅・保養制度
 寮・社宅(借り上げ)あり
・各種保険
 健康保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険、他企業年金(確定拠出企業年金制度)あり
・育児等との両立のための勤務制度
 育児の場合には時短勤務制度(5~6時間/日)勤務を選択可能

2016/02/10

雇用継続給付の申請は原則として、事業主を経由することに(労使協定がなくなる)

 雇用保険法施行規則の一部を改正する省令が、2016年2月16日に施行され、雇用継続給付の申請は原則として、事業主を経由することとなります。現在は原則として本人が届け出ることになっていることから、会社が届出をするためには、労使協定の手続きが必要でした。この労使協定の実施率は極めて低く、運用ベースではあまり効果的ではなかったようです。

 ところで、雇用保険関係のマイナンバーは本年から施行されていますから、マイナンバーの本人確認措置(番号確認と身元確認)は必要になりますので、注意が必要です。



2016/02/09

派遣先が特定の派遣労働者を無期雇用にするように要求することはできるのか

 平成27年の改正派遣法においては、同一組織単位では3年間までしか従事できない、いわゆる「組織単位の派遣期間制限」があります。

 一方で、派遣元にて無期労働契約を締結している労働者は、3年を超えて派遣を受け入れることができます。このときに問題になるのが、現在、派遣元で有期の労働契約を締結している労働者を、派遣元にて無期契約をすることを要求することができるかということです。

 結論からいえば、「望ましくない」ということになろうかと思います。これは、改正法とは直接関係はないのですが、もともと、派遣先による派遣労働者の特定行為は禁止されています。

 では、どうすればよいのでしょうか。この件で禁止されるのは、「派遣労働者の特定行為」です。したがって、派遣元に対して、(会社として)無期雇用の労働者の派遣を求めることは禁止されているわけではありません。3年の期間制限まではまだ時間があるはずです。派遣元とコミュニケーションをよくして、信頼関係をよくして対応していく必要がありそうです。もちろん、相手がある話ですので、必ず実現するとは限りませんが。



<参考>
労働者派遣法第26条(契約の内容等)
 労働者派遣契約(当事者の一方が相手方に対し労働者派遣をすることを約する契約をいう。以下同じ。)の当事者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者派遣契約の締結に際し、次に掲げる事項を定めるとともに、その内容の差異に応じて派遣労働者の人数を定めなければならない。
(中略)
6 労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。


派遣先が講ずべき措置に関する指針
第2 派遣先が講ずべき措置
3 派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止
派遣先は、紹介予定派遣の場合を除き、派遣元事業主が当該派遣先の指揮命令の下に就業させようとする労働者について、労働者派遣に先立って面接すること、派遣先に対して当該労働者に係る履歴書を送付させることのほか、若年者に限ることとすること等派遣労働者を特定することを目的とする行為を行わないこと。なお、派遣労働者又は派遣労働者となろうとする者が、自らの判断の下に派遣就業開始前の事業所訪問若しくは履歴書の送付又は派遣就業期間中の履歴書の送付を行うことは、派遣先によって派遣労働者を特定することを目的とする行為が行われたことには該当せず、実施可能であるが、派遣先は、派遣元事業主又は派遣労働者若しくは派遣労働者となろうとする者に対してこれらの行為を求めないこととする等、派遣労働者を特定することを目的とする行為の禁止に触れないよう十分留意すること。

2016/02/05

マイナンバー本人確認措置→プレ印字書類にて本人確認を行う場合には、番号確 認としての番号カードは裏面だけでOK

 先日、「弁護士や司法書士に対する本人確認措置について」の記事にて、会社の方で本人識別事項(住所・氏名等)を記載したものに、番号確認書類(通知カード、番号カードの裏面)を貼り付けて送付させればOKとのことでした。
これを応用すると、「【整理】マイナンバーの収集、本人確認措置」で記載していた内容の応用ができます。
つまり、身元確認措置は、扶養控除申告書にて行うわけですから、本人確認措置は通知カードまたは番号カードで行えばよいわけです。この場合の番号カードは、「裏面」だけでよいことになります。従業員への提示書類の案内としては、以下のようになります。
(1)   会社から渡された扶養控除申告書
(2)   マイナンバー通知カードまたは番号カード(裏面のみ)

2016/02/03

弁護士や司法書士に対する本人確認措置について

 弁護士や司法書士に仕事を依頼している場合、支払調書を出さなければならない場合があります。この場合、本人確認措置(番号確認+身元確認)が必要になります。
 この本人確認措置については、既にガイドがあり、会社の方で本人識別事項(住所・氏名等)を記載したものに、番号確認書類(通知カード、番号カードの裏面)を貼り付けて送付させればOKとのことですから、このやり方が簡便なのでしょう。テンプレートを案内します。





2016/02/01

派遣労働者個人単位の期間制限の「同一の組織単位」とは?


 2015年の改正労働者派遣法で、「派遣労働者個人単位では、同一の組織単位において、3年まで」という制限が設けられています。この中で、「同一の組織単位」とはどの範囲を指すのでしょうか。
 厚生労働省のガイドを見ると、「いわゆる「課」などを想定」と記載があります。そして、同一課の下部組織である「係」は認められませんとなっています。
「課」や「係」の考え方は、各企業において多様なのでしょうけれど、改正前の労働者派遣法では、もう少し小さい単位まで認められていたわけですから、改正前に比較すると、「やや広くなっている」というイメージを持っておくとよいのでしょう。
 ところで、派遣労働者個人単位の期間制限については、当該派遣労働者が派遣元において有期の労働契約の場合のみに適用されます。したがって、当該制限の対象外にするには、派遣元と交渉し、無期の社員を派遣してくれるように要望すること、または、自社で直接雇用化できないかどうかを検討していくことになるのでしょう。