2013/02/25

60歳代前半の在職老齢年金制度について

支給停止調整変更額は460,000円(平成24年)を前提とします。


 在職中である厚年年金保険の被保険者に支給される60歳台前半の老齢厚生年金は、「基本月額」と「総報酬月額相当額」に応じて、年金額の支給が停止されます。以下に、すべてのパターンを示しますが、基本的には(1)と(2)(a)を中心に押さえておけば良いでしょう。なぜなら、昭和24年4月2日生まれの方は、すでに60歳時から特別支給の厚生年金のうち、定額部分が支給されていません。従って、基本月額が28万円を超える方はそうは多くはないからです。
 
・基本月額・・・特別支給の老齢厚生年金の額(加給年金額を除いた額)を12で除して得た額。
・総報酬月額相当額・・・その者の標準報酬月額と、その月以前の1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額。

 
(1)基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下の場合
 特別支給の老齢厚生年金の受給権者が被保険者である日が属する月において,その者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が28万円以下であるときは、その月の分の当該老齢厚生年金の支給停止は行われません(当該老齢厚生年金が全額支給される。)。昭和24年4月2日以降生まれ(男子の場合)の方は、特別支給の老齢厚生年金のうち報酬比例部分のみが支払われるので、今後は再雇用になり、年金支給額と合算しても28万円に届かない方は多くなってくるでしょう。


(2)基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円を超える場合
 基本月額と総報酬月額相当額に応じて、次の(a)~(d)に示す式で計算した額に12を乗じて得た額(以下「支給停止基準額」)が支給停止されます。ただし、計算結果の支給停止基準額が年金額以上になる場合は、年金額全額が支給停止されます。特に以下(a)のパターンは比較的多くあり得るのではないかと思います。(b)~(d)は年金支給額または再雇用後の給与の何れかまたは両方がある程度大きい方になりますので、ケースとしてはぐっと少なくなるはずです(逆に、このようなケースは比較的余裕があるケースではないでしょうか。)。


(a)基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が46万円(支給停止調整変更額(平成24年))以下の場合
 [総報酬月額相当額+基本月額-28万円]÷2


(b)基本月額が28万円を超え、総報酬月額相当額が46万円以下の場合
 [総報酬月額相当額]÷2


(c)基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が46万円を超える場合
 [46万円+基本月額-28万円]÷2+[総報酬月額相当額-46万円]


(d)基本月額が28万円を超え、総報酬月額相当額が46万円を超える場合
 [46万円]÷2+[総報酬月額相当額-46万円]



以下パンフレットも便利です。

【標準報酬月額相当額と年金支給額、年金停止額の早見表】


2013/02/20

派遣労働者雇用安定化特別奨励金は平成25年3月31日で終了


 派遣労働者の雇用の安定を図るため、派遣期間が満了するまでに当該派遣労働者を直接雇用する場合には、事業主に「派遣労働者雇用安定化特別奨励金」を支給する制度を設けています。当措置は、当初平成24年3月31日までの措置で、その後、平成28年3月31日までの実施期間となっていましたが、最終的にこの期間が短縮され、平成25年3月31日で終了となることが発表されました。

 私の会社もたくさんの派遣社員をこのような助成金を活用して採用していただけに、残念ですね。派遣社員を社員として引き続き活用することは、労使双方にとって大変メリットのある話ですので、助成金がないとしても、そうした動きが止まらないといいですね。


2013/02/18

継続再雇用された方の標準報酬月額の見直しについて


 定年継続再雇用制度で再雇用になった場合、再雇用前に比較して賃金が下がることが多いでしょう。その場合、引き続いて厚生年金保険等に加入するものとあることから、4ヶ月目に標準報酬月額の随時改定を行っていました。しかしながら、給与が大幅に下がっているのに、従前の高い標準報酬月額に基づいた保険料負担が生じるのが望ましくないため、この場合には、使用関係がいったん中断されたものとみなし、再雇用された月から、再雇用後の給与に応じた標準報酬月額に決定できますので、再雇用になる方にはよく説明をしておく必要があります。
 なお、当取扱いについては、平成25年1月25日に、嘱託として再雇用された者の被保険者資格の取扱いについて(通知)」の 一部改正について(通知)として出されており、平成25年4月1日からは、使用関係がいったん中断したものとみなす者を、「60歳以上の者で、退職後継続して再雇用されるもの」と一部取扱いが見直しになっておりますので、留意する必要があります。これは、昭和28年4月2日以降生まれの方(平成25年4月2日以降に60歳になる方)に関しては、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)が60歳からは支給されないことに影響する通達であると思われます。

【退職後継続再雇用された方の標準報酬月額の決定方法の見直しパンフレット】

【嘱託として再雇用された者の被保険者資格の取扱いについて(通知)」の 一部改正について(通知)】
https://www.rosei.jp/readers/data/topics/2013/0214/5A39Fd01.pdf






今後は、特別支給の老齢厚生年金の支給対象でなくとも、対象になります。

2013/02/14

有期労働契約の通算契約期間と雇い止めの関係について


 2013年4月1日の労働契約法の改正に伴って、通算契約期間が5年を超える場合には、本人の希望があれば無期労働契約に転換される旨の扱いが新たに規定されました。逆にいえば、5年までは有期の労働契約が認められるということになります。では、有期契約の間の5年間であれば、自由に雇い止めができるのかということになれば、そうではありません。
 労働基準法第14条第2項に基づき、「有期労働契約の締結、更新の及び雇い止めに関する基準(いわゆる有期労働契約基準)」が策定されており、当基準に関して、労働基準監督署が、使用者に対して適宜必要な助言、指導を行っています。

2013/02/10

有期労働契約を無期労働契約へ転換する場合の「通算契約期間」の起算日について

 同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて繰り返し更新された場合には、労働者の申し込みにより、無期労働契約に転換されますが、通算契約期間のカウントは、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象となり、平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は対象とはなりません。つまり、極論をいえば、平成25年3月31日~平成28年3月30日の3年間の有期労働契約を締結した場合、通算契約期間の起算日は、平成28年3月31日となり、5年満了は、平成33年3月30日となります。すなわち、法律上の無期労働契約転換日をは、平成33年3月31日以降ということになります。図解すると以下のようになります。







2013/02/05

労働契約法改正のあらまし(2013年4月1日付)

2013年4月1日に、改正労働契約法が施行されます。具体的な取り扱いが、以下「労働契約法改正のあらまし」に掲載されていますので参考にするといいでしょう。

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/pamphlet.html



2013/02/01

障害者の法定雇用率の引き上げについて

 平成25年4月1日から障害者の法定雇用率が引き上げになります。障害者雇用納付金については、前年度の実績を当年5月15日までに納付することになっています。したがって、当引き上げによる障害者雇用納付金の納付は平成26年4月1日~平成26年5月15日となりますので注意が必要です。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/dl/120620_1.pdf