2015/11/06

労働契約法の5年問題と改正派遣法の3年問題の関係は実は深刻かも知れない

 労働契約法においては、2013年4月1日以降から5年を経過した有期契約の労働者について、無期雇用の権利が生じるとしています(5年問題)。同法成立日か5年後の前日は、2018年3月31日(1)です。多くの企業では、無期契約となることを恐れ、有期契約を5年と制限し、その後は雇い止めをするような就業規則にしています。もちろん、実際に雇い止めが有効かどうかは別問題です。

 一方、2015年9月30日施行の労働者派遣法においては、同一労働者が同一企業・同一部署に派遣できる期間を3年としています(3年問題)。仮に法改正後の最初の契約スタートが2015年10月1日であったとすると、3年後の前日は2018年9月30日(2)になります。

 上記(1)と(2)と総合すると、この例の場合は、当該派遣社員をそのまま派遣させられるのは、2018年3月31日までとなります。つまり、派遣法改正から2年半後ということになります。想定よりも短くなるわけですね。

 もっと極端な例とすると、2013年4月1日の時点で派遣元では雇用契約が締結されており、別の派遣会社に派遣されていた労働者がいます。それが2017年10月1日から別の企業に派遣されたとすると、その企業にとってみれば、労働者派遣法の3年問題は2020年9月30日になりますが、一方で労働契約法の5年問題は2018年3月31日。つまり、派遣受入を半年しかできなくなってしまうわけです。

 派遣会社、派遣先会社は、目先の利益にとらわれることなく、労働者のことも考え、お互いにコミュニケーションを良くしながら対応する必要がありそうです。


【上記の解説動画】

2015/10/16

総務省の「個人番号カード交付申請のご案内」のリーフレットをうまく使いまし ょう

 総務省から、「マイナンバー(個人番号)のお知らせ・個人番号カード交付申請のご案内」のリーフレットが出ています。今月から、マイナンバーの「通知カード」の交付が始まっています。

 事業主としては、マイナンバーをきちんと集めることができるかどうかは、適切な運用にとって重要な要素とならます。

 そのためには、事業主は、マイナンバーの利便性をきちんと伝えていくということも必要になりますが、その一つが、来年から始まる「番号カード」の交付です。この番号カードは、身分証明書として使用できるほか、今後市町村等で始める利便性の高いサービスを利用するために必要となってきます。

 また、事業主は、マイナンバーを収集する場合に、本人確認の措置が必要になり、それには、「番号確認」と「身元確認」の双方を行う必要があります。番号カードがあれば双方の確認を一度にできてしまうので、事業主、従業員に双方にとってメリットがあります。

 番号カードの取得はあくまでも任意(各個人の判断)ではありますが、今後、事業主におけるマイナンバーのスムーズな手続きの一つとして、「番号カードの取得を推奨する」というのも、マイナンバーに対する理解を深めるための一つの考え方ではないでしょうか。




2015/10/15

労働契約申込みみなし制度の概要についての新派遣法対応リーフレット

 労働契約申込みみなし制度について、2015年9月30日施行の新労働者派遣法を前提とする新しいリーフレットが登場しています。

 (1)派遣労働者を禁止業務に従事させること
 (2)無許可事業主から労働者派遣の役務の提供を受けること
 (3)事業所単位の期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること
 (4)個人単位の期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること
 (5)いわゆる偽装請負等

(3)(4)は新派遣法による新しい考え方です。労働契約申込みみなし制度は、企業にとっては厳しい制度のようにも感じますが、労働者派遣法の本来の意義をしっかり理解して取り組む必要があると考えられます。



2015/10/14

マイナンバー(労災保険)への個人番号の記入は、典型的な手続きでは不要

 2016年1月1日から、個人番号の利用が実際に始まります。その情報は、税関係や雇用保険関係で先行していましたが、労災保険の情報は今まで少ない状況でした。

 今回、労災保険関係の手続きに関してリーフレット等が発表になりました。

 最大のポイントは、労災保険関係の手続きで、個人番号を記入しなければならないのは、主として障害や遺族に関する給付のみであるということなのです。つまり、労災関係の手続きの大部分を占めるであろう療養や休業に関する給付はその対象外ということになります。従って、一般的には労災に関する個人番号についてはあまり考慮しなくとも良さそうです。


【マイナンバー制度(労災保険関係)】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000096093.html





2015/10/13

派遣社員が「派遣元で無期契約か有期契約か」の確認はできるのか

 改正派遣法で、当該派遣労働者が派遣元の雇用契約で無期契約なのか有期契約なのかという問題は非常に大きいものがあります。というのも、改正派遣法では、派遣元事業主に無期雇用される派遣労働者は、3年問題(事業所単位、個人単位の期間制限)の対象外だからです。

 では、特に派遣先事業主は、当該派遣労働者が無期契約なのか有期契約なのかについて把握できるのでしょうか。都度都度派遣元事業主に確認しなければならないのでしょうか。

 結論としては、都度都度派遣元事業主に確認する必要はなく、派遣先事業主は、把握しなければならないのです。それは以下2つのことから言えます。

(1)派遣元事業主は、派遣先事業主に、当該派遣労働者が無期契約なのか有期契約なのかを通知しなければなりません。

(2)一方で、派遣先事業主は、派遣先管理台帳を作成する必要がありますが、派遣先管理台帳の記載事項に、当該派遣労働者が無期契約なのか有期契約なのかを記録しなければなりません。










【労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成27年9月30日以降)】
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/