給与の計算事務に十分な時間がとれないときがないでしょうか。
事例として、月末で勤怠を締めて、時間外手当等も含めて翌月5日に支払う場合、通常は問題なくとも、その年その月のカレンダーのいたずらで計算・支給が難しい場合があります。
その場合には、一旦一定額(一番分かりやすいのは前月における振込額と同額)を振込むということです。
この場合、ポイントとなるのが、「計算自体は通常通り」ということです。つまり、振込額と同額は振り込むものの、後日、計算自体は通常通り行い、本来の振込額との差額を「控除項目」に入力し、実際に振り込んだ額に合わせます。こうすることによって、当月の社会保険料や所得税の金額は通常と同じになります。
そして、差額は翌月の給与で調整します。具体的には、当月給与で控除項目に入力した金額のマイナスの金額を入力すれば良いわけです。
留意点としては、当月、本来もらうべきの金額よりも少なくなってしまう方がいる可能性があります。つまり、例えば、前月の時間外労働が少なく、当月の時間外労働が多くなってしまった方です。もちろん、翌月の給与で最終的に調整すれば合うわけですが、資金繰りという点では従業員に迷惑をかけてしまうことになることもあるでしょう。逆に、本体もらうべき金額よりも多くなってしまう方は、それ自体は問題ないと思いますが、翌月はしっかり差額精算されてしまいますから、「使い込みをしないように」注意喚起しておくのも必要かも知れません。
このやり方について、労基署が問題視しないのか、というと、おそらく「労使でしっかり話し合いをしてください。」ということなのでしょう。従って、もし勤務カレンダーのいたずらが原因であれば、相当早い段階で起こりうる可能性が想定されるわけですから、早めに従業員側に情報提供をする必要があるのでしょう。